突発性難聴専門外来
当院は平成元年より突発性難聴や耳鳴り、めまいに悩む多くの患者さんと接してきました。当院を訪れる患者さんのほとんどは、病院でも治らず、どうすれば治るのか迷っている人ばかり。
そんな患者さんと一緒になって希望の光を見つけるため、突発性難聴の専門外来を設立しました。突発性難聴は発症してから1時間、1日と経過するにつれ治り難くなる病気です。だから1日でも早く治療を始めて欲しいと願っています。
突発性難聴に苦しむ患者さんは子供から大人まで幅広く存在します。そのため、患者さん一人ひとりと向き合い、二人三脚でそれぞれの原因を追究、治療をしていきます。突発性難聴には鍼灸治療が最も効果的です。共に病気を克服していきましょう。
当院では、日本耳鼻咽喉科学会、日本小児耳鼻咽喉科学会、日本めまい平衡医学会、全日本鍼灸学会にも参加し、そこで得たものを治療の現場にフィードバックしております。
当院の難聴治療はここが違う
ステロイドや高圧酸素療法では、どちらも身体に大きな負担がかかるため、めまいや症状の悪化などの副作用が起こる場合があります。その反面、当院での鍼灸治療は、患者さん一人一人の状態、体質に合った無理のない治療で安心して治療を受けていただけます。
当院では、的確な問診と患者さんの身体の声にも耳を傾ける検査で現在の病状とこれからの治療方針、経過などを丁寧に対応、ご説明させていただきます。
当院の理念として、安全・安心・信用があって初めて治療が成り立つと考えています。
1本1本滅菌されている使い捨て鍼を使用することで安全を確保。その中でも髪の毛より細い鍼を使用することで恐怖感を軽減し、鍼は痛くないことを知ってもらいます。当たり前のことですが、当たり前のことを徹底することで患者さんに安心してもらい信用につながると考えています。
上記3つの理由が合わさることで初めて実現する治療効果があります。一番大事なことは患者さん第一主義!患者さんが本気で病気と向き合える環境を整えることで回復する可能性が高まります。
当院スタッフは全員、厚生労働大臣のおこなう鍼師・灸師国家試験に合格した鍼灸師。治療に使う道具は鍼とお灸のみ!当院勤務後数年の専門実務研修を経た後に各専門分野の治療に専念するスペシャリストです。
こんな症状は赤信号! 一日でも早く治療をおこないましょう
- 急に聞こえが悪くなった
- 「ジー」「ザー」と耳鳴りがする
- グルグル、フラフラのめまいが続いている
- 自分の声が反響する、こもって聞こえる
- 病院で治療しているが変化がない
突発性難聴とは
突発性難聴とは
突発性難聴とは、特別なきっかけもなく、
ある日「突然」に「片方の耳」が「聞こえなくなる」病気です。
医学が発達した現在でも原因がはっきりせず、これといった確実な治療法のない難病とされています。
発症するタイミングとしては朝起きたとき、または電話中などに突然聞こえなくなります。また、聞こえなくなる前に耳鳴りが気になる人もいます。
聞こえなくなってからはフラフラやグルグルといった「めまい」や、補充現象と呼ばれる自分の声が反響するような症状や聞き間違いも現れます。
突発性難聴の概念
急性高度難聴の概念は昭和57年に公式に認められたもので、突発性難聴を始めとする急激に発症する難聴をまとめたものである。すなわち、昭和48年に突発性難聴の診断基準ができて、概念が確立するとともに、鑑別疾患として特発性両側性感音難聴が定義され、その中から免疫異常に伴う難聴が更に独立した。一方では外リンパ瘻、ムンプス難聴が比較対象と境界確認の意味で診断基準が作られ、その差と類似点が研究対象となった。最近では低音域の難聴が主要徴候の急性低音障害型感音難聴が独立疾患として取上げられるようになってきている。現在は急性高度難聴の概念はこれらの疾患の総称となっている。
※財団法人 難病医学研究財団/難病情報センターより抜粋
突発性難聴の原因
突発性難聴は、急激に発症する感音性難聴のうち原因不明のものを指します。
発症の原因は、音を感じ取って脳に伝える役割をしている有毛細胞が、なんらかの原因で傷つき、壊れてしまうことで起こります。
一般的に有力とされている説としては、おたふくかぜ(ムンプス難聴)や「はしか」、インフルエンザ等のウイルス感染後に高度難聴を引き起こすことからウイルス説が考えられています。
また、もう一つの説としてストレスや過労、睡眠不足、糖尿病が影響して内耳血管の出血や血栓、塞栓、圧変化、内耳リンパ浮腫などによる内耳循環障害が起こる説というものもあります。
遺伝性は無いとされていますが、似たような体質や性格を持つ家族が同じ環境で生活することにより家族で突発性難聴を発症することはあります。
内耳の内部で、音の振動を電気信号に変えて脳に伝える役割をしている。加齢や騒音などの影響で傷つき、壊れてしまうと音を感じ取りにくくなる。
音は、外耳から中耳まで空気の振動として伝わってきて、内耳の「蝸牛(かぎゅう)」という、かたつむりのような螺旋(らせん)状をした器官へ入ります。
このとき、音を感受するのが蝸牛内部にある「有毛細胞」という細胞です。有毛細胞は、片耳に約15,000個並んでいて、その名の通り「感覚毛」という細い毛のような束をもっています。
蝸牛に音の振動が伝わると、感覚毛が揺れて興奮し、音を電気信号へと変換します。これが聴神経を経て脳に到達すると、音が聞こえるのです。
そのため、有毛細胞が加齢や騒音の影響などで傷つき、壊れてしまうと、音を感じ取りにくくなり、難聴を引き起こします。一旦壊れてしまった有毛細胞は、元には戻りません。
・・・厚生労働省
突発性難聴になりやすい人
突発性難聴になりやすい人の傾向としては
- ストレスがたまっている
- 睡眠不足
- 妊娠中・出産後
- 肩こり・頭痛がひどい
- 夜勤・残業が続いている
- 風邪を引いた後
- 手術後や抗癌剤治療中
- 入院中など体力が落ちている時
- フラフラとめまいが続いている
- よく耳鳴りがする
- 年齢とともに体力が落ちてきた
また、最近の研究結果では、骨粗しょう症の人は、骨に病気がない人と比べて、突発性難聴になるリスクが高いと分かってきました。
『骨粗しょう症は骨の構造が弱くなり、骨折しやすくなる病気である。世界中で4千万人以上が既に骨粗しょう症を発症しているか、骨密度が低くなり発症のリスクがあるとされる。突発性難聴は原因不明で突然片耳だけが聞こえなくなる症状である。数日間に何度か起こることもある。突発性難聴になる人のおよそ半数は自然と耳が聞こえるようになるのだが、治療法を早く見つけることが重要である。研究グループは、1999年から2008年に骨粗しょう症と診断された台湾人1万660人の医療記録を調べ、診断を受けていない比較対照の3万1980人と比べた。 その結果、骨粗しょう症と診断を受けていた人は、比較対照の人と比べて、突発性難聴になるリスクが1.76倍と高かった。骨粗しょう症の人は、難聴の症状があればすぐに受診すべきだ』
と研究グループは説明する。
※台湾、奇美医学センター:カイジェン・ティエン氏ら研究グループ
国際誌ジャーナル・オブ・クリニカル・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム誌
2015年4月16日
突発性難聴の症状
難聴
難聴の症状は耳が聞こえなくなる、または聞き取りにくくなることをいいます。 そして見方によってさまざまな分類、診断をされます。
時期による分類
難聴は発症した病気の種類や発症してからの経過によって、(1)一過性(一時的なもの)、(2)急性期、(3)慢性期の3つに分けられます。
そもそも難聴は聞こえに関係している器官が機能しなくなる病気のため、発症した場合には一日でも早く治療を行うことが完治する上でとても重要になってきます。
部位による分類
難聴は、聞こえに関係する器官の障害部位によって分類されます。
分類の仕方としては、蝸牛を境界にしてそれより外側の障害を伝音性難聴、内側の障害を感音性難聴と分類します。
音域による分類
人間は低音から高音まで幅広い音域を聞き分けることができますが、主に500Hz以下の低音域が聞こえなくなった状態を低音難聴、それより高い音域が聞こえなくなった状態を高音難聴と分類します。
耳鳴り
難聴を発症したとき、最も一緒にあらわれやすいの症状が耳鳴りです。
耳鳴りは人によって「キーン」という金属音のような高音で聞こえたり、「ジー」というセミの鳴くような音や「ザー」というノイズのような低い音で聞こえたりします。特に、ジー、ザーの音は要注意です。
耳鳴りの症状は難聴を発症する際の初期症状や後遺症としてもしばしば現れます。
治りにくく、一生仲良く付き合って慣れるほか治療の手立てがないと言われる事も多いのですが、鍼灸治療なら回復する可能性が充分にあります。
めまい
難聴の症状でもう一つ忘れてはならないのが「めまい」です。
耳の奥には空気の振動を電気信号に変換して脳に伝える蝸牛(かぎゅう)という器官と平衡感覚を司る三半規管が並んでいるのですが、難聴になると蝸牛やその周辺の圧力が変化するため、同時期に平衡感覚にも支障が出ることがあります。
めまいを訴える患者さんの多くに「フラフラする」といった症状が現れますが、それがひどくなると「グルグル回る」といったような症状を訴えるようになります。
めまいという症状は薬では治りにくいものですが、これも鍼灸治療が得意とする分野です。
難聴患者さんの声を聞いていると、「耳が聞こえないことよりも、めまいを何とかして欲しい!」と訴える方が少なくありません。
感音性難聴
感音性難聴とは、耳にある鼓膜や中耳炎という病名にもなっている中耳(ちゅうじ)と呼ばれる部分よりも内側の障害に起因して聞こえなくなるものをいいます。
音は空気が振動し、耳の穴を通り鼓膜へぶつかってその振動が蝸牛(かぎゅう)と呼ばれる器官まで伝わります。蝸牛で空気の振動が電気信号に変換され、その電気信号が脳へ伝えられてはじめて音として認識されます。
この音の伝達過程の中で蝸牛より外側が障害され引き起こされる難聴を伝音性難聴、内側が障害され引き起こされた難聴を感音性難聴とそれぞれ呼んでいます。
感音性難聴の症状としては、難聴のほかに蝸牛の障害として補充現象という音が過剰に聞こえてしまう症状や、高音部分の聴力低下に伴う聞き間違いといった症状が出てきます。
一般的に感音性難聴を発症した場合、構造的な問題から伝音性難聴よりも症状は強く、回復しにくい傾向にあります。突発性難聴やメニエール病、ムンプス難聴などがこの難聴に分類されます。
低音障害型難聴
低音難聴とは、低音域にあたる部分が主として聞こえなくなる難聴の症状を指します。
人は20Hz〜20,000Hz程度の音域が聞き分け可能であるとされていますが、低音難聴にかかると、通常聞き取れるはずの音域の中で最も低い500Hz以下の低音域が聞き取れなくなる傾向にあります。
低音難聴で聞き取れなくなる音域は、日常会話で使われる人の声の高さに相当することから生活の質(Quality Of Life=QOLと言います)を考える上でとても重要だとされています。
なお、聴力検査では125Hz〜8,000Hzの範囲を測定しますが、聴力検査表の中央より左側の数値が低い場合が低音難聴と診断されます。
会話に重要な音の高さは500Hz〜2,000Hzとされていますが、500Hz以下の音域に聴力低下が起こると声がこもって聞こえたり、全体的に聞き取りにくくなるといった症状が現れます。
また、逆に500Hz以上の音が聞こえなくなると言葉を歯切れよく聴くために重要な「子音成分」が聞き取れなくなるため、聞き間違いを起こしやすくなります。
子供の難聴
子供は身体的に成長段階であり、その構造上の問題から難聴を引き起こしやすい状態にあります。
子供が難聴を発症する原因はさまざまです。しかし、剛鍼灸院グループで難聴の治療をおこなっているお子さんのほとんどが中耳炎による難聴、はしかやムンプス(おたふく)、インフルエンザの後に発症した難聴、あるいは原因不明の難聴(突発性難聴)のいずれかです。
中耳炎が原因の難聴
子供の耳は成長途中のため大人と比較して小さく、同時に耳管と呼ばれる耳と鼻を連絡している通路の傾きが穏やかです。そのため、くしゃみや咳、鼻をかんだとき、あるいは水泳中に鼻水や水が耳に侵入しやすく、中耳炎を発症して難聴の症状があらわれやすいのです。
ムンプス難聴
最も回復が難しいとされる難聴の一つがムンプス難聴です。
ムンプスとはおたふく風邪(流行性耳下腺炎)の原因となるムンプス・ウイルスのことです。この病気にかかると顔、特に耳の下がおたふくのように腫れ上がり高熱がでます。
特に3〜9歳に発症しやすく、症状の一つとして難聴が現れることがあります。高度難聴、そして子供が聞こえなくなったことに気づかず発見が遅くなることから回復が難しいとされています。
しかし、鍼灸治療では皮膚からの刺激が患部にまで伝わるため、本人の成長を促すとともに回復能力を高めることができるのです。
原因不明の難聴(突発性難聴など)
子供で突発性難聴等と診断される場合は、成長段階において耳に関係する器官の一部が循環障害を起こしたときに発症します。原因不明といわれていますが、大きな要因のひとつとしてストレスがあります。
感受性豊かな子供は引越しや席替えなど環境の変化が精神的なストレスとなり難聴が発症することもあります。また、過剰な運動から内耳の循環障害を起こす場合もあります。
難聴の治療実績
近年、疲労の蓄積や精神的ストレスによる血行障害が突発性難聴の発症に大きく関わっているということが分かってきましたが、西洋医学の分野では有効な治療法が確立されておらず、病院では上記のような治療を試行錯誤しているのが現実です。
一方、東洋医学をベースとする鍼灸治療では主となる耳の症状だけに焦点を絞ってアプローチするのではなく、難聴が発症した原因が「身体のどこにあるのか」を追求します。
そして、その原因を踏まえたうえで(耳以外の部分も含めた)全身の関連器官の血流改善治療を行うため、病院で「治らない」とサジを投げられてしまった患者さんでも、鍼灸治療で聴力が回復することは決して珍しくないのです。
実際の治療では、突発性難聴に至った原因を客観的に追求し、患者さん一人ひとりに最適な治療をおこなっていきます。 一般的な鍼灸治療としては耳の周囲にある「耳門」、「聴宮」、「聴会」というツボを使用することが多く、また、耳を含めた首から上の血流改善に効果がある「天柱」、「完骨」といったツボも頻繁に使われます。 その他、患者さんの状態に合わせて、腰や手、足にあるツボに治療をおこなうこともあります。
■5歳女性
発症年月日:2009年7月
初診日:2009年9月
治療前検査日:2009年8月
治療中検査日:2010年4月
備考:ムンプス難聴
■9歳女性
発症年月日:2009年7月
初診日:2009年8月
治療前検査日:2009年8月
治療中検査日:2010年4月
備考:突発性難聴
■10歳女性
発症年月日:2015年11月
初診日:2016年2月10日
治療前検査日:2016年1月
治療中検査日:2016年7月
備考:突発性難聴
■10代女性
発症年月日:2009年5月
初診日:2009年7月
治療前検査日:2009年7月
治療中検査日:2009年8月
備考:突発性難聴
■20代女性
発症年月日:2009年4月
初診日:2009年5月
治療前検査日:2009年4月
治療中検査日:2009年5月
備考:突発性難聴
■30代女性
発症年月日:2012年6月
初診日:2012年6月
治療前検査日:2012年6月
治療中検査日:2013年1月
備考:突発性難聴
■30代女性
発症年月日:2016年1月
初診日:2016年2月
治療前検査日:2016年2月
治療中検査日:2016年2月(鍼灸治療後2週間)
備考:メニエール病
初診の鍼灸治療でめまいがほぼ無くなる
■30代女性
発症年月日:2012年5月
初診日:2012年10月15日
治療前検査日:2012年10月12日
治療中検査日:2012年1月17日
備考:メニエール病
発症5か月後に来院、めまいはフラフラ
程度で、難聴が主症状
■40代女性
発症年月日:2013年6月
初診時:2013年8月
治療前検査表:2013年6月
治療中検査表:2013年10月
備考:メニエール病
めまい、難聴とも強く現れていた。
■50代女性
発症年月日:2009年11月
初診日:2009年11月
治療前検査日:2009年11月
治療中検査日:2010年1月
備考:メニエール病
めまいが激しい為、在宅での治療